“小杉武久二つのコンサート”

フルクサスのメンバーとしても知られ、武満徹、一柳慧らとならぶ
日本を代表する現代音楽家「小杉武久」のコンサートが
6月12日、13日に国立国際美術館(中之島)で行われました。
その一日目(12日)に行って来たので、そのときの報告とその周辺について書きます。

チケットを何とか友人にお願いして手に入れて、京阪に乗って中之島へ。
この日のメンバーは小杉武久、和泉希洋志、浜崎健、藤本由紀夫、ヤマタカEYEと
日本現代音楽の天才、異端、奇才、暴君がそろいも揃った内容。
高まる期待は押さえられません。

地下に建てられた国立国際美術館の独特の構造の中、下へ下へ。
会場はロビーホールみたいなところでざっと200人くらいの人がざわざわと。
時間になり、ざわつきが止んで間もなくゴゴッー。
竹串にコンタクトマイクをつけて、
その竹串をエレベーターや天井にこすりつけながら小杉武久登場。
美術館でのコンサートなので、みんな静かに見守るも、
70歳を超えた御大のそのアグレッシブなパフォーマンスに
心と身体を動かさずにはいられません。

8つの演目は、ステージ上で3人が一つのテーブルを囲み小杉武久によって生み出された発音装置での演奏や、会場全体を自転車が駆け回ったり、上階からのアプローチもあり、
観客も動き回りながら会場すべての動向を見守る形で構成された、
約80分の時間を忘れさせるようなめくるめく内容でした。

この個人的には感動しまくりのこのコンサートも、何かを感じ取るためには
なんらかのリテラシー(読み取る力/手段)が必要な表現方法です。
分からないのに感動するってなかなか難しいことです。
眠くなったり、むかつくこともあるかも知れません。
小杉武久と4人のパフォーマーによる演出は実験的かつエモーショナルで、
ドキドキ・ワクワクな時間でした。
表現に向けられたアイデアや情熱は伝わりやすいものなのだと実感しました。
そんなドキドキな心持ちをそのままに、その夜は十三のネオンへと繰り出すのでした。

ちょっと難解な現代音楽を体験するときの方法として
◯目を開けて世界の端で音楽を聞く
◯時々音のフォーカスを合わせたり
◯目を閉じて世界の真ん中で音を聴く
◯一所に留まらず移動してみる
などなど、試してみて下さい。

「現代音楽」って何?
ウィキってみると簡潔に「西洋クラシック音楽の流れにあり20世紀後半から現在に至る音楽を指す。現代音楽は調性をはじめとする従来の音楽様式を否定した前衛的な音楽を指すことが多い。最も顕著な特徴は不協和音の多用である。」と表記してありました。
ふ〜ん。みなさんもよかったらググったりしてみて下さい。
ノイズミュージックや、テクノもその文脈に入ってたりします。
テクノロジーが音楽に介入して以降の音楽ってことで、現代美術やメディアアート、映画音楽の世界に大きな影響を与えているみたいです。

三沢光晴さんのご冥福をお祈りします。
安らかにお眠り下さい。