(影を拾う)は、植物の影や葉の隙間から浅れる光をカメラのレンズを通してではなく白黒写真の印画紙上に直接定着させる試みです。

科学的現象である影は光と物体の関係にただ従属するものでありながら、元の物体のかたちを微妙に変化し、不完全なイリュージョンとなって私たちの視界を塗り替えます。

唐突に立ち現れ、かたちを成さない影は不安や恐怖の象徴となったり、ある啓示のように思えることもあります。

それは、いま見えているものの世界の転覆の兆しです。

ふとした影にとらわれるとき、私たちの視覚は一瞬破壊されまた同時に開放されているのではないでしょうか。

 

高野友実

 

 

 

10.29(FRI)~12.2(THU)

 

boogaloo cafe 四条店

 

0753446681