今日のヒアリングは車でちょっと遠出をしてきました。
目的地は京都市内から鞍馬方面へ車で40分ほど走った里山・静原にある「CAFE MILLET」です。

CAFE MILLETは自宅を改装し、自然農の畑や地元、京都の新鮮で安全な野菜を使い、野菜が持つ本来のパワー最大限に引き上げたヴィーガン(オーガニック・ベジタリアン)フードを作っている隅岡樹里さんの営むカフェ。
カフェでは不定期にライブや食、健康、生活に関わるワークショップなどを行ったり、本人がイベントへ出張して料理を提供するケータリングなども行っており、最近では、少しづつ雑誌やTVでも紹介される注目のカフェです。

今回は食という事で、話を聞くなら、もちろん食べなきゃダメでしょ!ヴィーガンフード!?
と意気込んで、ごはん+ヒアリングに、ちょっと小旅行も入れた気分で行ってきました。

一見すると普通の民家な雰囲気を出しているCAFE MILLET
まずは、ごはんを食べます。

見た目はシンプルですが、素材の味を活かして一品一品が丁寧に作られているなぁ~と思うごはん達でした。

暖炉など店舗内で使われているモノ一つ一つにこだわりを感じるチョイス。

 

カフェの家具や暖炉などアンティークな雰囲気で、そこに飾られているアート作品や写真、本も全てがしっかりとセレクトされ、居心地の良い空間を作ることの出来る樹里さんの料理に対する美学というのは、どのようなものでしょうか?

「自分が大事だと思う事や人の出会いによって動いて来ている感じ」という樹里さんがベジタリアンになったキッカケは、中学校の頃に何で生まれてきたんだろうとか、生きるという事について考えていて、そうやって悩んでいた時にベジタリアンの人に出会いその人の生き方や考え方に共感したことだったそうです。

それは、ヒアリングの中で「料理を作っていると命を考える」という言葉から語られた
「今は何でも買えるけど、自分がやる場合、魚を釣ることは出来るけど、殺すのは勇気がいるし、牛とかは殺せないなと単純に考えて、私の手で出来る事をやりたい」
といった事や、牛乳や卵なども、量産する事が目的で、すごい狭い所に入れられ、牛が牛乳製造マシン、鶏が卵製造マシンになっているのがおかしいと思って使わないなど、料理を通して自分と生き物の関係と状況に向き合って、素直に出て来た答えなんだなぁ ということを感じることが出来ました。

そんな樹里さんが作る料理を楽しみにしている人たちには子供を持つお母さん達が多いそうで、お母さん達が集まって料理教室を開いたり、お店の横にある石窯を使ったワークショップをしたり、少し離れた広場にツリーハウスを作ったり、お母さんと子供が参加出来る企画などを定期的に開催するなど、
CAFE MILLETは「自分が大事だと思う事や人の出会いによって動いて来ている感じ」の言葉通り、自分が大事だと思う料理を通じて、様々な人たちが集い繋がる場所になってきているようです。
それはなんだか自然な流れで、とてもシンプルで美しい生活であると感じるお話でした。

生きる事を考えて来た樹里さんが出会った信じられるモノゴトをコツコツとやる事で、人が共感して新たなモノゴトが集まってくる。
「人間も生きる循環の一部でしかなくて、その循環から外れてしまった今の世の中が間違ってるんじゃないかな? ただ単に昔に戻すのではなくて、もっと素敵になってないといけないと思う。想像して楽しいし、ワクワクする事を形にしていきたい。 木を植えたらすぐに大きくなるかと言えば違うように、今やらなければ十年後が二十年後は何もないから未来を作っていくのは私たちかなと」

樹里さんが最後に言っていたその言葉は、自然に生活する実践者としての経験と思いと素敵な景色と空間とが相まって、力強く僕を引きつけた。
MILLETに集まる人たちもきっと十年後、二十年後のワクワクのために、今、大切だと思う事をやっているんだろうと思えた暖かな時間でした。

 

CAFE MILLET http://blog.cafemillet.jp