松倉早星さんとの「Design Talk03」
「MEET」の第三回目は、はクリエイティブポータルサイト「HITSPAPER™」でManaging Editor、そして、京都のWEB制作会社、「ワン・トゥー・テン・デザイン」でプランナーとしても活躍している松倉早星さん。
最初は松倉さんが「Refsign magazine」を見てメールをくれたのが知り合うきっかけ。その後ご一緒に食事に行き、お話するようになりました。
そんな松倉さんと「HITSPAPER™」、そして「WEB」のお話をしました。
佐野 : 「HITSPAPER™」との出会いはなんだったんですか?
松倉 : たまたま僕が就職活動している時に「HITSPAPER™」を見つけて自分のフィーイリングが合い、即「面白いね!」とメール。
それでサイトの運営者と会い、意気投合、そして一緒にするようになったという感じです。私が会った今までで一番話の合う人間でした。
佐野 : なるほど。
うちの時と同じ、まずメールなんですね。笑
「HITSPAPER™」での記事は海外の方が多いですよね?
松倉 : そうなんです。
日本の方はだいたい雑誌とかですでに取り上げられていたりするんですよ。
だから海外の方が多いです。
まあWEBサイトなんでその辺は海外でも関係ないですからね。
でも海外の方なんで大変です。英語は得意ではないので。。。笑
「HITSPAPER™」のデザインなどはもうひとりの佐々木がしていて、
私は主にインタビューをしたり記事のPOSTをしたりです。
でも最近インタビューをするのにあまりいい人がいないんです。
佐野 : やり尽くしてるんちがいます?
松倉 : そうなんですよね。。。
佐野 : そういえばかなり前からサイトをし拝見しているのですが、
「HITSPAPER™」ってこういうテイストのサイトではなかったですよね?
松倉 : そうですね。
当初はインタビューとピックアップ関連の記事が主でした。
最近は僕もあまりPOSTせず自分のサイトの方が多いかもです。
ジャンクな感じの話題を。自分のサイトは気になったメモ代わりになってる感じです。
佐野 : このサイトはデザインは松倉さんですか?
松倉 : デザインは私です。
サイトの構築は知り合いに頼んでやりました。ギャラは焼き肉で。笑
僕はディレクター、そしてプランナーなのでサイト構築などはできなくていいと思ってます。これは技術的にできる、これはできないという知識があればいいと思っています。
佐野 : そうですよね。
それでいいと僕も思います。
私も最近は「Flash」などは忘れているかもです。。。笑
そういえば松倉さんは立命館大学出身ですよね?
これまた奇遇な点ですね。
(佐野は今、立命館大学の非常勤)
松倉 : そうです。
産業社会学部にいました。
しかし、二回生から京都造形芸術大学に授業を「もぐり」で通っていました。
その時に「後藤繁雄さん」に出会い編集について鍛えてもらいました。
当時、私は「もぐり」として正規の学生ではないですが、
僕が一番、熱心に講義を受けていたと思います。笑
その時に後藤さんに「とにかく毎日文章をかきなさい!」
と教えられ、それから毎日文章をかいています。
佐野 : 毎日ですか?
それはすごいことですね!
松倉 : そして当時、「antmagazine」というフリーペーパーを運営していました。
19歳から2、3年ぐらいですかね。
内容はクリエーター特集とかフォトグラファー特集とか。
日本の主要な所とロンドンに配布していました。
(二人 笑)
佐野 : いきなりロンドン!!
そこからいきなりバイリンガルに。
松倉 : そのときからデザインは他の子にしてもらっていたんですが納得できない事が多く、そこから自分で初めてデザインをはじめました。
佐野 : とういか若いうちから動いてますね!!
松倉 : ずーっとインタビューとかしてたんです。
人と話すのが好きだし、おもしろいんですよ。
「HITSPAPER™」は深く掘り下げていくのがテーマです。
なのでサイトをしていて気になった人に会えるのがいいです。
このサイトが口実になるので。笑
佐野 : ですよね。
それは私も「Refsign magazine」を始めてからとても感じます。
「HITSPAPER™」でもご自身のサイトでもそうですけど、
どこから情報を見つけてきているのですか?
やはりWEBですか?
松倉 : 自分でも何で見つけているのか分からないです。。。
でも毎朝、RSSで100件ぐらいチェックしてますね。
そして、いい情報を発見して、いいアーティストなどがいたらすぐにメールです。
「最高だよって!」
佐野 : でた!!笑
ところでオンラインマガジンのコンテンツの更新って大変じゃないですか?
松倉 : ですね。
でもサイトをしていく上でのモチベーションは
他人に自分が見つけた情報を教えたい!!という気持ちのみですもんね。
「いいたい!おしえたい!」
(笑)
佐野 : でもその通りだと思います。
唐突ですが、最近の「WEB」の感じってどう思います?
私は最近「サイト」のプランのたて方、やり方がかわってきました。
サイトも、もちろん仕事で扱っていますが実は最近、「反WEB」です。。。
松倉 : 実は僕もです。。。笑
佐野 : 最近の「WEBのデザイン」にしたって全部、
バーンと写真がきて、、、みたいな紙媒体のポスターみたいになってません?
松倉 : ですね。
佐野 : 前にもブログで書いたんですが、私が専門学校に通っていたときは「WEBの仕事」なんてこれから成立するのっ?という時代でした。
しかし数年前ぐらいから、いろいろな専門学校でWEBのコースが始まり、
自称「WEBデザイナー」が大量に増えたじゃないですか?
松倉 : そうですね。笑
佐野 : 別に私は「紙のデザイン」とか「WEBのデザイン」とか「デザイン」という点で
区別はしていないんです。
ただその媒体の使われる用途なり、目的、ターゲットによって「デザイン」は変わってくると思うんですよ。なのに「インターフェイス」の見栄えという点の
表面的な「デザイン」でこの二つの世界の方向性が似てきている。
例えばWEBデザインであってもさっきから言っているように、
紙媒体のポスターのようなデザインが増えてきていたり。
これは違うと思うんですけどね。
でも「見栄え」という点だけの「デザイン」のおかげで「自称WEB屋」が
淘汰されてきていると思います。
デザインはせずに今まで「WEB屋」できていますからね。
松倉 : うんうん。分かります。
僕も大学から紙媒体(antmagazine)をしていたので
最近また紙媒体の情報誌をしたいと思っています。
佐野 : いいですね。
うちも「Refsign magazine」を紙でしたいな。
プランナーとして意見を聞きたいんですが、
最近一度見たらそれからもう二度と見ないサイトが増えてきてますよね。
下手したら途中で見るのをやめるとか。
その辺どうですか?
松倉 : 確かに多いですね。
最近の私が立案しているプランとかは全然WEBぽくないです。笑
例えば最近「プランニング」のために「ゲーム」をいろいろ調べているんですが、
昔とかは「バーチャファイター」とかでテンションがあがったじゃないですか?
今までになかった立体的なものが動いているということで。
でも今は「モンスターハンター」みたいに戦いを共有してクリアーしていく。
その世界感に面白みがある。
たぶんWEBもそういう世界になってきているんでしょうね。
単純にキレイだけだったらもうどうでもいい。
なにが体験、共有できるか!
佐野 : ですね。
なにも考えなかったらサイトなんてブログでいいですもんね。
松倉 : ですね。
佐野 : たぶんみんなに1日に何回も見ているサイトは何?
と聞くと恐らく誰かのブログだと思うんですよ。
松倉 : うんうん。
「HITSPAPER™」も情報をPOSTするだけになる。。。。
ということに佐々木も僕も「しがらみ」を持ち続けていて
絶対にリアルなイベントはしたいと言っていました。
後、普段はこっちが情報を発信するだけなのでサイトを見ている人と直接会いたい。
という話になり「HIGH5」を企画しました。
一回目は六本木の「AXISビル」。
そのときは200人ぐらい。
二回目は少し箱のサイズ大きくして「横浜大さん橋ホール」でしました。
600人ぐらいの方が来て頂きました。
佐野 : 本当にすごいですね。
松倉 : でも少し人が多すぎてみんなが気軽に「スピーカー」と話しができる感じではなくなってしましました。なので三回目は、恐らく年末にまたすると思うのですがこれらの反省を含めた上でいいものにしたいと思います。
でもイベントはいいですよ、佐野さん。
どんな人がサイトをやっているのかどうかを知る事で
ユーザーからすればサイトの重みが違うと思います。
佐野 : うちもまさしくそのとおりでいかに「ネット」と「リアル」の融合を行うかがテーマなんで勉強になります。
(ここからはPCで二人でネットサーフィンをしながらこのサイトはどうだ。
あそこはどうだ。
ここのプロダクションのあの人は凄いだのという話が続きました)
※結局二人はWEBが好きなのかもしれません。。。
佐野 : こうやってサイトを見ていると、
全部ではないですけど一部のサイトは方向性というかコンセプトが似てきていますね。
みんな考えている事はいっしょなのかな?
松倉 : ですね。
「WEBの世界」って勝手に世界に広がっている
というイメージがあるけどそれは違うと思うんですよ。
これからは地方のためのWEBサイトなどがドンドン行くと思う。
WEBの構造的にもそっちのほうがばっちり合うと思う。
佐野 : なるほど。
最近これすごいよな〜!
とかいうサイトありました?
松倉 : いや〜サイトですごいとかないですね〜!
佐野 : いってもた。。。笑
松倉 : WEBの仕事してるんですけどね。。。
でも最近WEBでびっくりしたことはないですね。。。
僕自身、プロモーションのサイトの制作が多いですから、
ポイントはつたわるかどうか?
という点に焦点をあてることが多いんで。。。
「すごい」という世界感とはすこし意味合いが違うかもです。
本当につたわるかどうか?
のみのポイントです。
逆に佐野さんあります?
佐野 : う〜ん!結構前になっちゃいますが、
「GYRE」ですかね。
サイトがどうとかいうより、ギャラリー、ショップとの連動感がすごいですよね。
あのサイトは「サイトの立ち位置」が「すごい」と思います。
松倉 : さすがにこのサイトは日本のWEB界のエース達でやってますからね。
凄いと言えば、WEBではないんだけど、
「Impress」というタッチスクリーンなんですけど、
従来のタッチスクリーンはX軸・Y軸のいわゆる2Dでの制御。
でもこのImpressは+奥行きであるZ軸が加わることで、
機械的なタッチスクリーンの世界に有機的な奥行きと操作性をもたしてるんです。
佐野 : タッチパネルから発光しているんですか?
松倉 : いや上からプロゼクションしているはずですね。
押した部分の弾力、圧力を見てこの上に投影されている
オブジェクトのパースを深くしているみたいな。
原理的にはわかるけどよく思いついたなっと。
佐野 : でもこれって自分で発光できるようになったらヤバイくない。。。
色々作る人出てくるよね。絶対。。。
(大人な爆笑。。。)
佐野 : 「WEB」にしろ「紙」にしろどういう媒体にしても広告という点で
考えると簡単で分かりやすければベストですもんね。
前にあった「看板+プレイする人で作る広告」で
「Vertical Soccer」は本当に衝撃的でした。
看板で実際にプレイヤーが吊るされてサッカーをしている。
あれでいいですもんね!
松倉 : うんうん。
今やWEBで何でもできるから、
てんこもりにする傾向があるぢゃないですか?
佐野 : はい。
松倉 : あれって本当によくないなと思っていて。
佐野 : ですね。
松倉 : そういう点で考えると最近、良かったサイトは
「読売新聞の採用サイト」がとてもよかったです。
ただ右にスクロースするだけでコピー流れていくんですけど。
このシンプルさがいい!コピーと写真の勝利です。
佐野 : そうですね!
これでいいんですよね。
読売新聞がどういう仕事をしたいのか?がすごく伝わってきますね。
松倉 : 僕はこういうちゃんとユーザーに伝わるサイトがいいサイトだと思います。
この後、色々なお話をし面白い企画の話もできました。
何かご一緒にするかもしれません?!
乞うご期待!
松倉さん、お話ありがとうございました。
「HITSPAPER™」とは?
クリエイティブの本質を研究・発表するシンクタンクCTT(Creative Think Tank)
興味深い情報が盛りだくさんです。
[ホームページ] http://antenna7.com/
「ワン・トゥー・テン・デザイン」とは?
京都のWEBデザイン制作事務所。
とてもいいデザイン、企画のサイトをたくさん制作されています。
[ホームページ] http://www.1-10.com/
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