田井祥文さんとの「Design Talk02_2」
前回に引き続き、「TPOcampany」の代表、田井祥文さんとの「Design Talk02」
今回は「デザイン」の仕事に対しての「モチベーション」についてお話してきました。
佐野 : そういえば田井さんとお話するといつもこの話になりますよね。
田井 : 突然やけど例えば、高校生のころから銀行員を目指している人は
あまりいないと思う。
いくつかの企業を受けてたまたま受けた会社に入社する人もいると思う。
でもデザインの仕事の場合は元々したくてデザイン事務所に
就職する人が多いと思います。だからその自分のつきたい職業につけてるからうれしいと感じると思うけど、なのに、「モチベーション」の低い人が多い。
佐野 : そうですよね。うちでも時々、言うのですが今している事が
「何のため」にしているかを理解して下さいって。
例えば、こちらから怒る事があった場合、
そのことができていなくて怒るのではなく、分からないままやっているから怒る。
だから「モチベーション」が高い人でもその今やっていることが
分からないまま進めていると自ずと「モチベーション」は下がると思います。
何をしているか分からないから。
田井 : なるほどね。
佐野 : そういえば最近、田井さんブログを頻繁に更新してますよね。
田井 : はい。
最近毎日書くようになってから結構、次々とブログを
更新できるようになってきました。
でもブログって難しいよね。
会社の代表としての顔で書かないといけないし。
でも「Refsign」のブログは難しいです。笑
見ている人がデザインに絡んでいる人ばかりやし。。。
佐野 : いや。普通に書いてください。笑
一応サイトの「くくり」は「デザイン」ですが、
僕の認識している「デザイン」というのはかなり広い意味ですから。
田井 : あ〜そういえばこの前見たよブログ。
「求人サイト」するんよね。
それはどういうことなん。
「Refsign magazine」の中で?
佐野 : 元々この「Refsign magazine」を企画していた段階で他に「求人サイト」、
そして「ECサイト」でセットの企画でした。
ただこの二つのサイトは少しシステム的に時間のかかる部分もあるので
後回しになっていました。 笑
サイトにも書いているのですが「Refsign magazine」のテーマは
「ネットとリアルの融合」
ただ現段階では、まだまだ「融合」はできていなくて、
その融合の一つの形が「求人サイト」と企画していました。
「ECサイト」も同じ考えです。
まだ他にもあるんですが今はここまでで。。。
「求人サイト」は「京都限定の求人サイト」と考えているんですが、
それは単純に「リアル」に私が住んでいる「京都」という町が
一番「リアル」だからです。
なのでもし例えば大阪で同じようなことを「リアル」にできる人が
いればしてほしいという他力本願なイメージもあります。笑
田井 : 面白いと思ったのは「クリエイター職」の求人に飲食店をいれていたこと。
うちも「飲食」も「デザイン」もしているし
「クリエイティブサービスチーム」というコピーを掲げています。
飲食も「クリエイティブ」な仕事やし、そうあってほしいと思っています。
ただ作るという分かりやすい「クリエイティブ」もあるけど
お客様にとっていい空間であることを創る「クリエイティブ」でもあって欲しいし。
佐野 : その点はうちも飲食店も経営しているので、すんなり入れたのかもしれません。
でも、いつも思うんですけど田井さんの会社も「飲食」と「デザイン」をしていて
うちも同じような形態なので田井さんと話していると「デザイン」、「飲食店」のことが整理されていくのでとても自分にとっていいんです。
田井 : 逆に僕もそうですね。
こうやって同じような感じでしている人はそう多くはいないですもんね。
さっきの「モチベーション」の話に戻ると、
同じ事をしていてもそれが「クリエイティブ」の仕事をしていると思えば
それが「コピー」をとっていようが、例えば「お茶汲み」していようが、
「クリエイティブ」と思えば
「クリエイティブ」だし
「雑用」と思えばそれまで。
佐野 : そうですね。
その「コピー」をとることによってどういう意味があるのか。
例えば、その企画書は今、何部刷って、誰と誰に渡して
こういう企画書で。。。。
などが分かっている人は
「モチベーション」が高いと思うんですよね。
ただ「コピー」するだけではなくって。
田井 : うん。
もしくは自分で意味をみつけるか自分で新しく意味をつくるか。
佐野 : そうですね。
僕もこの仕事に就いた時はほんと何も分かっていなくて
「デザイン」という業界の表層の部分しかみていませんでしたね。
単純にデザイナーはかっこいい。。。とか
でも実際は全然そんなことないですもんね。
考えないで仕事をしていくと苦痛ばかりです。。。笑
でもその時にたまたま僕の師匠に教えてもらった
「自分の仕事をつくる」という本で
いろいろな仕事に対する考え方を変えるきっかけを得ることができました。
そこでさっきの「コピーの話」もそうですが
自分にしかできない「コピー」をすればいいんですよね。
自分が休むと会社が困る。。。
「誰がこのコピーをとるねん。あんなにキレイに早くとれへんぞ。」って。
すこし極端ですが。
でもこれも広い意味で考えると「クリエイティブ」ですよね?
田井 : まさしくそのとおり。
まあ当たり前のことやけど僕は「Apple」が好きだから「Apple」の製品を購入することに「モチベーション」は高い。笑
でもそうじゃない人は「Apple」では「モチベーション」は上がらない。
だから、その人その人のモチベーションをあげる「手段」なり「物」を見つければいい。でもそれを他人である僕達から見つけてあげるのは難しいね。
佐野 : ですね。本当に難しいです。
一般的によく「モチベーション」をあげる方法は「給料」ですかね。
田井 : もちろん給料もあるでしょうね。
自分で欲しい給料が明確な人は、どうすればその給料がもらえるのか考えるでしょうし、
具体的に行動に移すと思いますから。
会社としても、その分がんばってくれて結果を出してくれればいいんですもん。
佐野 : ですよね。
そういえば今まで聞いた事なかったですが、
田井さん自身は今の仕事の形は昔に描いていた「イメージ」どおりなんですか?
田井 : 途中からそうですね。
漠然と別に「飲食」が絶対したいとかではなくお店に関わる仕事がしたいとなりました。
ソフト、ハードもふくめてね。
それに役立つかなと思い「インテリアの会社」にもいたし、
「印刷の会社」にもいたし、「飲食店の企画の仕事」もしたし、
今考えると全てが今の役には立っていると思います。
インテリアの会社にいた時もインテリアの世界で身を立てることは考えてはいなかったから早く仕事を覚えて自分のしたい事をしたいと思っていた。
だから「モチベーション」は高くて、
誰よりも現場に早く行って、
誰よりも現場に遅くまでいて、
早く仕事を覚えたかった。
早く仕事を覚える。そして、自分のしたい事を早く実現したい。
という自分のイメージに繋げる「モチベーション」
佐野 : なるほど。本当にその通りだと思います。
自分の「モチベーション」は分かるんですけどね。
他人の「モチベーション」を上げていく。
ほんと難しい命題ですね。。。
田井 : 佐野君の「モチベーション」の感じは?
佐野 : 僕も普通大学だったんでこの業界に飛び込むのはとても勇気がいりました。
そして、俺は美大、芸大にはいっていない。。。という、
今考えると、妙な劣等感があったので「デザイン」という事にとてもハングリーでした。
色々なデザイン本も見まくりましたし、サイトも展覧会も映画も見まくりました。
まあ今考えると、僕が元々、法学部で法律の知識が今はほとんど消えている
のと同じように美大、芸大生もほとんど一緒やと思うんですけどね。。。(笑)
でもこの気持ちのおかげで今になっても「デザイン」ということに
関してはいつもハングリーでいれる。
それを仕事にしている。頑張るしかないやろう!
という「モチベーション」になりましたね。
田井 : なるほど。
結局自分しだいなんかな。。。
(二人 笑)
以上、二回にわたり「Apple」と「モチベーション」というテーマで
田井さんにお話を聞きました。
田井さんありがとうございました。
「TPO COMPANY」とは?
デザインで、世の中を、ちょっぴり楽しくしたい。
そういう思いをコンセプトに掲げているデザイン事務所。
ロゴマークやウェブサイト、会社やお店のブランディング、オリジナルの雑貨、自分たちの店舗をプロデュースしたりと、様々な仕事をされている。
モットーは「楽しく考えたことの先にだけ、楽しい未来がある!」
[ホームページ] http://www.tpo-company.com/
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