加納俊輔・高橋耕平展『パズルと反芻』
“Puzzle and Rumination”

 

この度、加納俊輔と高橋耕平、二人の作家による展覧会『パズルと反芻 』を開催します。ありふれた風景やモチーフを注視し、その中に存在する可笑しさや奇妙さを写真や映像によって表現する二人の作家による、知覚体験の拡大を試みる展覧会です。

本展のタイトルである『パズルと反芻』は二人の制作に於ける手法や眼差し、態度を表したものです。来歴の違う像やモチーフ同士の合成や構成、シークエンス上の映像と音声の編集、その作業の繰り返しは「パズル」や「反芻」というキーワードを連想させ、また一見するだけでは加工された箇所や編集点が見えにくい二人の作品は、ピースの切り出しから作られるパズルの制作自体の様でもあります。加納と高橋の作品は、構成と解体を幾度も繰り返す言わば『パズルと反芻』の果てに、対象が元々持つコンテクストや印象を一旦解体し、再統合、再解釈を促し、我々の経験に懐疑と新たな価値を与えることでしょう。

本展は、Social Kitchen, LABORATORY, Division の3会場において開催され、Social KitchenとLABORATORYではともに二人の新作と近作を、Dvisionでは互いに撮影した写真素材交換し、それを元に作られたコラボレーション作品を展示します。会期中、遠藤水城、佐々木敦、清水穣を講師に迎え、加納、高橋の制作のキーワードである「変換」から着想されたレクチャーを開催します。

 

|期間:2011年11月30日(水)~12月23日(金・祝)
※会場によって、時間と定休日が異なります。ご確認の上、お越しください。

|場所:Division、Social Kitchen、 LABORATORY

Division
京都市中京区両替町二条上ル北小路町102
>> http://blog.refsign.net/
OPEN:13:00-20:00
定休日:月・火曜日

Social Kitchen
京都市上京区相国寺北門前町699
>> http://hanareproject.net/
OPEN:13:00-21:00
定休日:月・火曜日

LABORATORY
京都市中京区恵比須町531-13,RAD bld.3F
>> http://alter-laboratory.tumblr.com/
OPEN:13:00-21:00
※会期中の金・土・日曜日のみオープン

 

|URL:http://puzzle-rumination.com

|主催:加納俊輔、高橋耕平

|協力:Social Kitchen、LABORATORY、Division、hanare、RAD、Refsign、e感性価値研究所、
HEADZ、NOT PILLAR BOOKS、MUZZ
|Design:DM/見増勇介(intext)
|Web:Design/下元善光(SDL)、Cording/中川昌志
|Exhibition Coordinator:山崎伸吾(e・感性価値研究所/Refsign Magazine)
|問合せ:MAIL >> [email protected](山崎)

 

|Profile:

加納俊輔 | Kano Shunsuke

1983年大阪府生まれ、京都在住。主に身近な風景をとらえた写真を使用し、様々なかけ離れたイメージや立体物と掛け合わせる手法で制作している。様々な要素や意味が混沌と混じりあう状態のなかで、写真の見方や現実で見ているものを捉え直す試みとしての作品を制作。2011年、キヤノン写真新世紀佳作受賞。
>> http://www.kanoshunsuke.net
>> http://twitter.com/kanoshunsuke

 

高橋耕平 | Takahashi Kohei

1977年京都府生まれ、京都在住。自然や人間を観察する中で起こる違和感を伴う事象や、演出によって起こる不自然な情景を映像に記録する。反復や並列を駆使した制作方法で、個別に認識していたもの同士の共通性と差異を顕在化し、唯一性と全体性ついて言及する作品を制作。関西の他、国内外で作品を発表。主にビデオ、写真を使ったインスタレーションを行う。
>> http://takahashi-kohei.jp
>> http://twitter.com/Tkohei

 

|関連企画:

■レクチャー
「変換」をキーワードに、3人のゲスト講師によるレクチャーを開催します。

加納、高橋の二人の作品は、編集や展示方法によって、本来の意味を書き換えたり、ズレを生じさせ、見る者に奇妙な体験を与えます。今回は、領域の異なる3人の講師に『変換』という言葉をキーワード、もしくは着想とし、自分の専門領域や、現在言及したいことなどの話題に引き寄せて頂き、それに沿ってレクチャーをして頂きます。

|会場:Social Kitchen

|日時:

12月3日(土) 講師:清水穣(美術批評家)
12月11日(日) 講師:遠藤水城(インディペンデントキュレーター)
12月18日(日) 講師:佐々木敦(批評家)
18:30-20:00

|講師プロフィール:

遠藤水城|Endo Mizuki
1975年生。インディペンデント・キュレーター。 art space tetra(2004/福岡)、Future Prospects Art Space(2005/マニラ)、遊戯室(2007/水戸)などのアートスペースの設立に携わる一方、国内外で展覧会のキュレーションを行う。 2005年若手キュレーターに贈られる国際賞「Lorenzo Bonaldi Art Prize」受賞。著書に『ルーツ- 20世紀後期の旅と翻訳』(2002年/月曜社)、『アメリカまで』(2009年/とんつーレコード)、『曽根裕: Perfect Moment』(2011年/月曜社)がある。女子美術大学非常勤講師。

 

佐々木 敦 | Sasaki Atsushi
1964年生。批評家。HEADZ主宰。早稲田大学、武蔵野美術大学、東京藝術大学非常勤講師著書として『即興の解体/懐胎』『小説家の饒舌』『批評とは何か?』『ニッポンの思想』『文学拡張マニュアル』『ソフトアンドハード』『(H)EARーポスト・サイレンスの諸相』など。現在、「新潮」「ケトル」「朝日新聞」「東京新聞」等で連載中。12月初旬に書き下ろしによる最新著作『未知との遭遇』が刊行されたばかり。
>> http://www.faderbyheadz.com/
>> http://twitter.com/sasakiatsushi

 

清水 穣|Simizu Minoru
1963年生。美術批評家。 同志社大学教授。専門は現代写真・美術、現代音楽。『美術手帖』『ARTiT』等の美術誌、写真集や画集、美術館カタログに批評文を定期的に寄稿。1995年に『不可視性としての写真 ジェームズ・ウェリング』で第1回重森弘淹写真評論賞受賞。主な著書に『写真と日々』(現代思潮社 2006)、『日々是写真』(同 2009)など。主な訳書に『ゲルハルト・リヒター写真論/絵画論』(淡光社1996)、『シュトックハウゼン音楽論集』(現代思潮社1999)。

|参加費:1500円(1drink付き)

|申込:ご予約は下記メールアドレスまで、「お名前」、「人数」、「メールアドレス」、「電話番号」を記載の上、お知らせください。
Mail:[email protected](山崎)

 

■「Puzzle and Rumination」BOOK CORNER selected by NOT PILLAR BOOKS

Social Kitchen内にあるNOT PILLAR BOOKSで本展に合わせ、「パズルと反芻」セレクトの書籍を販売します。
>> http://notpillar.com/

 

01 Kano Shunsuke ”polypropylene band on veneer_02”/ 2011 / type C print, lumber
02 Kano Shunsuke ”WARP TUNNEL_02”/ 2011 / type C print
03 Kano Shunsuke ”WARP TUNNEL_08”/ 2011 / type C print

 

04-07 Takahashi Kohei ”Sight of the blinking ”/ 2011 / HD video, Installation