関口正浩「遠くの正面」at 児玉画廊
関口正浩「遠くの正面」
|会期:2014年3月29日(土)〜4月26日(土)
|時間:11:00~19:00/日・月・祝休廊
|オープニング:3月29日(土) 18時より
|場所:児玉画廊
京都市南区東九条柳下町67-2
>> http://www.KodamaGallery.com
児玉画廊|京都で3月29日より4月26日まで関口正浩「遠くの正面」が開催されます。
関口は、皮膜状に乾燥させた油絵具によって画面構成を行う作品を一貫して制作しています。大きなシリコンボードの上に塗り広げた絵具を乾燥させると、一枚の布のような状態で絵具をボードから剥がすことができます。そうして作成した様々な色彩の絵具の膜を重ね合わせたり、ちぎり絵のようにしてみたりと、絵具でありながらも絵筆では表現しえないテクスチャーが得られるのです。この、関口の作品を最も特徴付ける「膜」という手法は、一般的な絵画の見地から言えば特殊であると言わざるをえません。しかし、決して奇を衒うのではなく、関口は既存の絵画の平面性に対する捉え方を改める必要があると考えており、その為の一つの「仮定的な」打開策として「膜」で描く絵画という方法を取っているのです。これには関口なりの理由があります。例えとして、将来人類が宇宙で生活することになった場合、無重量状態にあって上下左右の概念があくまで相対的な関係性になった空間内において、果たして上下左右にこだわる「平面」としての絵画はその存在意義を保持しうるのだろうか、と関口は疑問を抱いているのです。そこで、まずは「絵画」が平面性から離脱できるという可能性を示すことで、その疑問に答えようとしたのです。キャンバスに直接描いたのでは、支持体であるキャンバスからも、壁面からも逃れられません。ならば、イメージを支持体から引き剥がした「膜」のような状態で「絵画」を存在させることができたなら、「絵画」を平面性から切り離すことも可能かもしれない、という一つの演習なのです。
今回の個展では、額装のフレームの中でガラス面とベースパネルの狭間に絵具の膜を押し込めた、新しいシリーズが発表されます。押し挟まれることでガラス面に張り付くようにして得られた色面と、余剰部が内側へ潜り込むようにして形成される深い襞との明快なコントラストが目を奪います。ガラスは、月との関係性で言えば距離にあたり、見る者との間に触れることのできない絶対的な隔たりを生じさせています。触れられないということは、視認することでしか平面であるか否かの判別ができない、ということを意味します。額の中で押し込められるように形成されている画面は、穿った言い方をすれば、本当に膜によって構成されたものなのか、それとも「そのようにしか見えない」ように描いたただの絵なのか、事実を確かめられることを拒否するのです。「そのようにしか見えない」ということは、絵画の歴史において立体感や写実性の研究を通して追求され続けてきましたが、関口の作品は逆に「平面性」という視座においてその系譜に連なり、そしてこれに一つの解を与えるでしょうか。つきましては、本状をご覧の上展覧会をご高覧賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。
(プレスリリースより抜粋)
|同時開催:
Kodama Gallery Project 43
森下明音「安らぎと食事の労働」
2014年3月29日 – 4月26日
営業時間: 11時‐19時 日・月・祝休廊
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