REFSIGN MAGAZINE HTMLVER

看板 2009/09/11 12:40 AM

結構な割合でお店に入りにくいとか言われるので、入口に看板を作る事にしました。

今まで、仕事としてショップだったりの看板を製作した事は沢山ありましたが、
自分のお店のための看板を作るとなると結構悩んでしまいます。

せっかく自分のお店の看板を作るんだから、普段出来ない(やらない)、実験的な
変な(笑)ものにしたいけど、やはり好きなデザインの方向性というのはあるわけで。

いや、むしろ自分のお店だからこそ、ここは高純度に、より極端なかたちで自分の
やりたいカンジに出来る絶好なチャンス。

散々悩んだ結果、フォルムとしてはホントにどこにでもあるようなシンプルすぎる
普通のA型の置式看板がいいなと考えました。

でも、それだけだと面白くないので自分で作る事にしました。
はっきり言って、自分で作るのは苦手なのですが、
確かに普段絶対にしない(やってはいけない)事なので、クォリティの低さ、チープさ
も含めて「なんだ、これは?」 と思って貰えるような看板にしようと思いました。

定休日、早速材料を買って来て、製作開始です。

極力コストを抑えるというのも大事なポイントなので、安価な白木材とトタン板のみ
で構成し、文字はカッティング文字を自分で作って貼る事にしました。

出だしの5分くらいはなかなか順調でしたが、同じ部材を何個も作るのに苦戦し、一気に
モチベーションは急降下。

何とか看板のフレームが見えてきました。この時点で、部材同士に隙間が空き、全体も
すでにかなり歪んでますが、必死に見て見ぬフリをして、先を急ぎます。

これにトタンを貼って、その上にカッティングをチマチマ貼っていきます。
で、何とか完成です!

うーん、いいんだけど・・・何か、どっかが惜しい感じの仕上がり・・・。
イメージにスキルが追いついてないと、こうなります的な・・・。

やはり、たまに実際こういう事をすると、いつもうちの家具や雑貨を製作してもらってる
職人さんたちの凄さというか、プロが持つクォリティの存在を改めて感じる事が出来ます。

この看板を見るたびに、常に自らのポジショニングと役割を確認(戒め)させられます。笑

当店を訪れるデザイナーや、職人さんたちから、

「・・・何、あの看板?」

と半笑いで聞かれるたびに、プライドが少し傷つきながらも、何か嬉しい。笑

すでに第二弾を計画中です。ふふふ。

NIT KYOTO 2009/09/01 12:22 PM

先日、京都のflowing KARASUMAで開催された映像作家の丹下紘希さんのワークショップ「NIT」に参加してきました。

丹下紘希さんは以前から、Mr.Childrenや桑田圭祐さんのMVで知っていたのですが、そのクリエイションのプロセスなどを直に聞かせて頂けるという機会は滅多に無いので、これは行かねばと。

Refsign メンバーでもある松倉さんがオーガナイズしていることもあって、会場には佐野さんをはじめ、Refsignブロガー(?) の方々の顔もちらほら。

Flakworksの高田さん。何かいいですね、この写真。笑

オーガナイザーの松倉さん。当日も大忙しでちょっとお疲れ気味かな

ワークショップは、19時から24時までと5時間(!)の長丁場ながら、それを感じさせない内容でした。
Mr.ChildrenのMVの多くを手掛けられているので、そのイメージが強かったのですが、幅広いアーティストやフィールドでお仕事をされていて、かなり興味深かったです。

その膨大な作品群からは、僕たちが普段見過ごしたり、目を背けがちな出来事に対して、イマジネーションやファンタスティックで何か出来ないかと格闘されてるようにも感じました。

「TANGE KOUKI VIDEO COLLECTION」 見ると何か元気出ます。

松倉さん、お誘い頂き有難うございました&お疲れ様でした。


その後、Refsignメンバーの方々とお食事。

ジャガマックスでお馴染みの竹内さん

いやー相変わらず、クリエイティブとは無縁なお話で。笑
すごく楽しかったです。


あ、そうそう、佐野さん、高田さん、竹内さん。
例の件ですが、2つとも「あり」の方向で・・・。笑


BIRDS 2009/08/23 10:42 PM

最近、お客様や取材なんかでよく聞かれる質問があります。

「SONGBIRDだけに、鳥がお好きなんですか?」

まあ、SONGBIRD DESIGN STORE.と名付けるくらいなので、当然鳥の事は好きです。
だけど、ここのニュアンスが難しくて、本物の鳥が好きというのとはちょっと違います。
いや、本物の鳥も好きなんですが、空を飛んでたり、木に止まってたり、鳴き声や気配
だったりと、そこにはある種の距離感を必要とします。

つまり、鳥の種類をよく知ってるとか、飼いたいという好きではなく、鳥という存在、
鳥の世界観が好きなのです。

そんなわけで、お店を始める時に決めた事の一つに「あまり鳥そのものは使わない」
というのがありました。
店名がSONGBIRDだから、鳥グッズを扱ってるお店?みたいな 感じは避けなければ
いけないと考えていました。

ロゴマークや印刷物、商品等に、鳥そのものは使わず 、巣箱だったり、コンセプト
だったり、鳥の名前や関連するエレメントだけを使うようにして、唯一、鳥の形を
しているのは イームズの「HOUSE BIRD」だけ。
うんうん。これは、なかなかいいなと思っていました。


で、これが現在の店内です。

鳥だらけです。笑


これは、PUEBCO製の鳥のオブジェのシリーズです。
本物の鳥の羽根を使ったりして、かなりリアルな仕上がりになっています。
サイズ感もいいし、フクロウやカラスだったりと鳥のチョイスもなかなかだし、とても
安価なのも素晴らしい。

Black Owl S ¥950 Bird Nest ¥1,000


しかし何より、当初のコンセプトを破壊してまで、この製品を店に置きたいと思った
理由は、この製品が本来の鳥の持つ「怖さ」や「不気味さ」もちゃんと表現出来て
いる所です。

イームズの「HOUSE BIRD」にも言える事ですが、可愛いだけじゃなく、鳥が苦手な
人 には充分怖いし、暗がりでいきなり現れたらギョッとするし、夕焼けの窓辺に置けば、 何とも言えないもの哀しさが漂います。

かと思えば、本棚とか椅子の上にちょこんと置くと可愛くて癒されるし、肩に乗せてるだけでその人がいい人に見えます。笑

結局、鳥の鳴声を、歌っていると感じるか、泣いていると感じるかは、こちら側次第だったりします。

そんな叙情的というか、ポエティックな感じが、鳥に惹かれる大きな要素なのかも知れません。

White Owl S ¥950

Black Crow ¥2,500


というわけで、PUEBCO製 鳥のオブジェ、絶賛販売中です!

皆さんもお部屋に一羽、いかがですか?


お知らせ:
来週の8月26日(水)と27日(木)はお休みを頂きます。ご来店の際はご注意下さいね。

鳳舞 2009/08/14 08:12 PM

加茂街道・紫明にある中華料理店「鳳舞」が今月末で、42年の歴史に幕を
下ろすそうです。
京都では昔からかなり有名なお店なので、ご存知の方も多いと思います。
最近では、くるりのPVなんかにも出てましたね。

先日WOMBの宇治田さんが来店された時、閉店の事を聞き、これは行かねば!と
思い、行ってきました。

有名なのはこのシューマイ。

そして、ここの春巻きは本当に美味しいです。

このシンプルな酢豚も、定番です。

思えば、小さい頃はこのお店の風格というか雰囲気に圧倒されて、「すごいぜい沢をしてる」と、子供ながらにビビってました。庭の池には鯉もいっぱい泳いでるし。

そして、大人になって、昔と全然変わってない店内で食べる中華は、僕にとっては
今でもとてもぜい沢で、そんなに頻繁には行かないけど、行けば色々思い出す特別なお店でした。

そんな、お店が無くなるのは単純に淋しいものです。

恐らくそんな同じ想いのお客さんで、平日なのに店内は超満員でした。

閉店までに、あと何回行けるでしょうか・・・。

sano week 2009/08/02 01:31 PM

月曜日、以前から行きたかった三条新町の「cao cafe ishikawa」へ、佐野さんたちと。

かなり好きな空間でした。辻村久信さんのデザインなのですが、さすがです。
夜中の2時までやっていて、普通にカフェ使いも出来そうなので、これは有難いです。

で、木曜日は佐野さんと「A WOMB」へ。

佐野さんと宇治田さんはほぼ初対面でしたが、自己紹介したり、近況を話し合ったり、なかなかいいカンジの会になりました。
僕的には、宇治田さんの愛犬「ムゥ」ちゃんと戯れる佐野さんが新鮮でした。笑

別の日、Cafe SalonのイリーさんとTPOの田中さん、Refsign佐野さんと
Teepleの秋田さん、そしてSONGBIRDからは僕と倉田というメンバーで、「RYUEN」へ。

お仕事や人生について(?)、すごく楽しくお話しさせて頂きました。

て、今週ほとんど佐野さんと一緒じゃないですか!笑


最近、デザインという分野に限らず、様々な職種で活躍されている方々とお話しさせて
頂く機会が非常に多いです。
飲食店やショップやギャラリーのオーナー、歯科医院、家具職人、珈琲豆のばい煎人、水道工事の人・・。
で、感じるのは、高い評価を獲得されている方々は、やはり「違う」という事。

共通しているのは、本人の意識や、やっている事のクォリティが高いのは当たり前で、
「目標」だけではなく、「使命」のようなものがモチベーションとなっている事。
「存在する意義」とか「役割」というような言葉が、会話の中でよく出てきます。

突き詰めれば、存在する意義のあるもの、必要とされているものを生み出す事のみが、
クリエイティブの本質的使命と方法論なのかも知れません。



という難しい話は置いておいて、本題へ。
最近堀川通りを、昼夜問わずパトカーがサイレンを鳴らして、すごいスピードで走っているのですが、あれが全て事件なら物騒な世の中です。

なので、僕のオフィスにもセキュリティー対策で衛兵を置く事にしました。笑

これでひと安心です。



あと、すいません。告知です。
SONGBIRD DESIGN STORE.では、スタッフを募集しています。
詳しくは、こちら。

本で見るイームズ 2009/07/26 06:53 PM

この「TEXT」をはじめ、「PHOTO」でもご紹介頂き、さらに「MEET」でも登場させて頂きまして、気がつけばRefsignのindex pageの至る所を「SONGBIRD DESIGN STORE.」が占拠する事になり恐縮です。笑

最近、職場の移動やらで身辺の荷物等を整理しているのですが、中でも本や雑誌の整理に悪戦苦闘しておりまして・・・。
かなり昔からの蔵書たちなので、量もさることながら、思い入れがあったり、懐かしい一冊とか出てくると、その度に手は止まり、当時に想いを馳せ、目頭が熱くなるのを押さえながら、一語一語噛みしめ・・・・、つまりモタモタするので、一向に作業は進みません。

そんな作業の中、出て来た懐かしい&オススメの書籍等をサラッとご紹介します。
今回は、「イームズ」です。
「MEET」でも少し触れている通り、僕はイームズが大好きなのですが、イームズ関連の書籍には素敵な物が多いのです。

まず、これです。

一般的に、イームズがまだまだ「誰?」な頃に発刊されたBRUTUSの特集号です。1995年です。
日本におけるイームズブームは、ここから始まったと言っても過言ではないのではないでしょうか?
柳宗理氏のフェイバリット・イームズは「LCW」と紹介されていたり、モダンエイジギャラリーや、ミッドセンチュリーモダンといった当時からのイームズのディーラーの方々が、熱く語っていたり、と今読んでも、かなりテンションが上がります。本自体は見過ぎでボロボロですが、間違いなく僕の家宝です。

次は、Casa BRUTUSの特別号「みんなのイームズ」です。
すでに、イームズ人気も定着し始めた2001年の発刊です。

まず、何より表紙がイケてます。
この本でも、柳宗理氏がフェイバリット・イームズについて語っているのですが、「LCW」から「ラウンジチェア」に変化しています。6年間の間に、何かあったのでしょう。

でも、こうして考えると日本でのイームズの認知度向上における、BRUTUSの功績は決して小さくない事がわかります。

で、丁度同じ頃に発刊されたこの本は、イームズ・デザイン展のオフィシャルブックです。

装丁やデザインを、グルービジョンズが担当しています。当然デザインは格好良くて、写真も多く、テキストも全部日本語なのでオススメです。

最後は、Vitraの「eames」です。

洋書なので、テキストは全て英語ですが、写真とレイアウトが秀逸な一冊です。
良いデザインのプロダクトは、カタログや雑誌等の、平面に配置した時に、真価を発揮するという事を教えてくれます。

家具を構成しているパーツを分解して見せてくれてます。奇麗ですね。

やっぱり、今見返しても素晴らしいものばかりですね。
今回、比較的今でも入手しやすい物をご紹介したので、ご興味のある方は探してみて下さい。

今、僕的に第三次イームズブームが来ていまして、お店やオークション等を、日夜物色中です。

着々と「SONGBIRD DESIGN STORE.」の売場を浸食しています。笑

SUPER NORMAL 2009/07/13 09:09 PM

ジャスパー・モリソンのロンドンのSHOPがオープンしたらしい。
以前から出来るとはちらほら聞いてましたが。

彼のデザインしたものは、3割程度しか置かないとか。残りは、世界中から集められた彼が常々提唱している「スーパーノーマル」な日用品たち。
いいな、行ってみたいな・・。当分無理そうですが。

当店のSONGBIRD COFFEEでも、コーヒーカップやプレート、カトラリーなど、彼のプロダクトを使用していて、極めて「普通」なデザインなのですが、何気ない瞬間に「普通ではない」と感じます。
使いやすさだったり、サイズ感だったり、フォルムやディティールだったり。
表現するのは難しいのですが、空気感というか、たたずまいというか、要するに只者ではないのです。笑

恐らく何度も何度もスタディとリシェイプを繰り返し、試行錯誤の結果、完成した「普通」のフォルム。強さというか凄みすら感じます。

まあそんな大層な話ではなくとも、僕の母親がこのカップでコーヒーを飲んでて「これ、ええやん」と気に入ってしまうというのが、このプロダクトの本質を表していますね。

僕はデザインする場合も、「普通」に見える「普通じゃないもの」に憧れます。
ジャスパー・モリソンのカップやカトラリーは、まさにそんなものの一つです。

先日、また「A WOMB」ヘ。
そこで、メニューに「STARCK BEER」というのを見つけて注文。

中身はフランスのビールで、ボトルデザインをフィリップ・スタルクが手掛けたそうです。オシャレですね。

裏のラベルではスタルクがメチャ笑ってます。笑

ジャスパー・モリソンと、フィリップ・スタルク。
ある意味、対極にいるかのような二人ですが、大好きです。

この二人に関しては、今度詳しく書きます。

Future is Now. 2009/06/24 11:58 PM

お店を作って本当に良かったなーって思える事の一つに、色々な方々とお会いする機会が増えた事があります。

それは、初めましての方はもちろん、お互い忙しくて中々お会いする事が少なくなっていた方が来てくれたり、そのお返し(?)に伺ったり。

「A WOMB」の宇治田さんは、僕のキャリアの中で、ほぼ初めてお店の家具をデザインさせていただいた、僕にとって特別な存在の方です。2002年頃です。

かなり久しぶりに、「A WOMB」に夕食がてら伺いました。解りにくいですが、カウンター内におられるのが宇治田さんです。

京黒毛和牛どんぶりを頂きました。相変わらず、美しい。そして当然、美味しい!
コストパフォーマンスが異常に高いです。

本当に、ここの空間は落ち着きます。大好きです。まさに、WOMB(子宮)の中にいるかのような心地よさ。

途中、愛犬のムーちゃんも登場。
ムーちゃんに対する僕の赤ちゃん言葉に、宇治田さんも引いておられました。笑

何か新しいプロジェクトも進行中のようで・・・・楽しみです。


別の日、このブログでも僕とは上下でお隣のイリーさんこと入船さんが、スタッフの方とお店に来てくれました。
ブログにも書かれている通り、ワインの試飲会後、ホロ酔いで登場です。

本当にお久しぶりだったのですが、相変わらずピースフルなオーラを振りまいておられました。またお店にも伺いますね。


今度、夏に錦小路新町に完成するリノベーションビル「NAUTICA bldg」を見学。

ここのマネージメントをされている石川さんは、たまたま犬の散歩中に当店を発見して頂き、お知り合いになりました。さらに偶然にも、僕の前職のIREMONYAで家具を購入して頂いていたとの事。あるんですね、こういう事。

上手く既存の建物の良い所を生かしたセンスのいいリノベーションで、住居とテナントが複雑なレイヤーで共存する、面白いプロジェクトでした。

何かいいですね。住みたくなりました。

最後は、昨日来てくれた小菅さんと上林さんです。お二人は、南船場の「DOORS」で主にDOORS GALLERYなどの担当をされています。

小菅さんとは、彼が京都造形芸術大学在学中からのお知り合いで、そういえば先ほどの「A WOMB」の宇治田さん経由でご紹介いただいたような・・・。

そして、小菅さんと、これまた本ブログのお隣さんの松倉さんは学生時代にあの伝説のフリーペーパー「ANT MAGAZINE」を運営されていたメンバー・・・。

さらに、その誌面上で宇治田さんと僕の対談を取り上げてもらった事もありました。


ここ最近思うのは、数年前のあの出来事が、今に繋がっていて、今日の出会いが未来のどこかの部分になって・・・みたいな事。

その時は、まさか隣でブログを書く事になったり、お互いのお店を行き来したり、一緒に仕事をするようになったりなんて思ってない訳です、全然。

しばらく会ってなくても、それぞれ当然頑張っていて、いつの間にかすごく近くに居たり、ちょっと見えなくなってたり・・・。
それは、驚きや嬉しさと共に、嫉妬や焦燥感にも似た良い意味での刺激、いわゆるモチベーションへと転化されていきます。


こういうの、なかなかいいですね。

森の人 2009/06/12 06:31 PM

昨日は木曜日ですので、SHOPは定休日でした。

オープンしてからあっと言う間に約1ヶ月、ペースも掴めないままバタバタと一日一日をこなすのが精一杯でした。言ってしまえば、ちょっと疲れてました。

お店の定休日には、普段動けない仕事や打合せを入れているので、完全な休みというのはありません。ま、それも仕方ないなと思っていたのですが、ちょっと思うところがあって昨日は完全なオフにしてみました。

まず、朝から髪を切りに行き、その後「スマートコーヒー」にランチへ。
久しぶりに行ったんですが、平日のお昼過ぎなのにウェイティングが出るほどの混みっぷり。

ここで、最高のぜいたく「平日のお昼からビール」です。ふふふ。

その後、休日らしい過ごし方といえば、久しぶりに行ってみたかった京都市動物園へ。

中でもダントツで大好きになったのが、「ホップ」という名のボルネオオランウータンです。ご存知の方もおられると思いますが、オランウータンとは「森(hutan)の人(orang)」という意味です。

しかし何でしょう、この存在感。とてつもない包容力を感じます。
冗談じゃなく、神様がいるとしたらこんな感じかも・・と思いました。

騒がず、愛想を振りまく訳でもなく、ただ、静かにそこにいるだけ。

なんか凄く大きな流れを自然と受け入れているようなフラットなたたずまいを見ていると、普段の仕事や生活において、距離が近すぎて視野が狭くなり、その結果余裕が無くなってイライラしたり、勝手にネガティブになってるモヤモヤとかが、スーッと晴れていくような気がします。

時間も忘れて、オリの前でずーっと「ホップ」を見ていて、何気にプロフィールを見るとそこには驚くべき事実が!

「1987生まれ」・・・・・え?、・・・と、年下?

その仙人のようなビジュアルから勝手に100年くらい生きて来たかと思ってました 笑

その後、近くの「AU TEMPS PERDU オ・タン・ペルデュ」へ。

かなり、気持ちいいです。テラス席がおススメです。

で、締めはSONGBIRD DESIGN STORE.の屋上で夕食がてらまたビールです。

こんな感じの普通の休日は、本当に久しぶりだなと考えてました。
昔から、休日の過ごし方がヘタだった僕は、体力を回復するためにひたすら寝たり、勿体ないからと無理矢理出かけてみたり・・・。
何か休むという事を頑張ってた感じですね。

独立して、自分の会社やお店をやり出してみて、「権利」でも「制度」でもなくなった「休日」は、リアルに心も体も休む日なわけで。

でないと、パフォーマンスもクォリティも、モチベーションも必ず落ちていきます。
ま、当たり前の事なんですけど。

物事は一度、大きな流れの中で、ある程度の距離から見てみる。

ふんふん。ついつい忘れがちになります。
彼にはそんなつもり無いでしょうけど、「ホップ(年下)」から学んだ一日でした。

ピンク色の空を見ながら、そんな事をぼーっと考えてました。

How to make '' SONGBIRD DESIGN STORE. '' 2009/06/10 04:05 PM

SHOPがオープンして3週間。色々な方に来て頂いています。色々お話している中で、

「何故この場所(物件)にしたんですか?」「この建物は以前は何だったんですか?」
「家賃はいくらですか?」「築何年ですか?」・・・

という建物(物件)に関するご質問を、かなり高い確率で頂きます。

わかります。
僕自身、もともと建築学科ということもあり、かなりの物件好き(マニア)でして、
今でも定期的に(意味も無く)賃貸物件の動向をネットトレーダーばりに日々チェック
したり、町中で空き家らしい物件を見つけては瞬時に坪数を割り出し、家賃や保証金を
算出するというさわやかな趣味も持っています。

なので、今日は「SONGBIRD DESIGN STORE.」のビフォーアフター的(!)な事を書いてみます。

以前は2階を住居、3階は旅行者や学生に貸す民宿的な事をされていたようで、少し変わった構成となっていました。
当然、住んでおられたのでかなりしっかりと内装をされていて、スケルトンや居抜きの物件を中心に探していた僕にとっては、これを撤去する事がかなり厄介でした。

2階はこんな感じでした。キッチンの場所は今と一緒です。

3階。6部屋くらいに区切られていました。

エントランス。斬新な玄関でした。

借りるかどうか・・・。図面も無く内装を撤去したところで思ったような鉄骨構造かどうかわかりません。途中、何か雨漏りがヒドいのも判明したし・・・。
それでも、1階と4階のわずかに剥き出しになっている鉄骨を頼りに、天井高などは外壁の寸法から、天井の落しと床のスラブ厚を推測して予想し、一か八か借りる事を決意。

かなり心配でしたが、内装を全て剥いでみると予想通り、なかなかシブい鉄骨が姿を現しました。水廻りなどの位置はそのままです。

その間、図面やら模型やらでどんなSHOPにするか、必要な機能は何か、ユーザーの導線はどうかなど、延々とスタディを繰り返します。水廻りや、階段などの位置から自ずとフロア構成や、ゾーニングは限られてきますし、最大の床面積を確保するため仕切壁などは無しとしました。天井高も同じです。

で、最終的にこんな感じになりました。

2階

3階

エントランス

で、現在のSHOP画像はこちらからどうぞ


「この内装のデザインのこだわりは?」というご質問も頂きますが、ちょっと困ってしまいます。


デザインが必要な時というのは、状況として、何か問題を抱えていたり、困難なミッションが存在したり、色々な事柄が絡まって整理が必要な場合だったり・・・、と様々です。

今回の場合、内装に関して言えば「住む」という以前の機能(それに必要だった内装)は、必要ないので取り除き、新たに店舗としての機能を最少限加えただけで、特別な事はしてません。いや、コスト的に出来なかった事もあります。
ただ、無理なく何が出来るのか、何がしたいのか等を整理していった結果とも言えます。

そこには当然、「SONGBIRD DESIGN STORE.」としての方向性は存在するのですが、その過程の無数のジャッジが、個性とかテイストとかクォリティ、いわゆる一般的に「デザイン」と呼ばれているものに繋がるのかな、と。

こだわってると言えばこだわってるし、こうなるのが必然のような気もするし。

うん。そうそう、そんな感じです。

何かこだわってる人とかセンスいい人が、掃除とか整理するとイイ感じになりません?

ちょっと違うような気もするけど(笑)、僕がやりたいデザインって案外そういう事のような気がします。これに関しては、次の機会に。

そういえば今回、全然ビフォーアフター的じゃなかったですね。すいません。