Big Day Coming:中屋敷 智生 展
NAKAYASHIKI Tomonari Exhibition

 

|会期:2012年9月4日(火)〜9月16日(日)
11:00~19:00 *最終日18:00まで・月曜休廊

|レセプションパーティー:2012年9月8日(土) 18:00~

|場所:Gallery PARC
京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル[ル・グランマーブル カフェ クラッセ]2階
>> http://www.galleryparc.com

 

本展は2000年に京都精華大学 美術学部 造形学科 洋画分野を卒業した中屋敷 智生(なかやしき・ともなり / 大阪・1977~)の、久しぶりとなる京都での個展として、新作を中心にその絵画作品の魅力をご紹介します。

中屋敷はまず心に留め置かれた「ある風景」を描くにあたり、ドローイング制作によってその構図・色彩のイメージをかたちづくっていきます。そうした写実的な絵画制作を下部構造としながら、その画面には次第に印象や空想、あるいは筆や絵具の動きがつくり出す偶然の関係性など、様々な虚構的要素が重ねられ、それらは綯い交ぜとなってある風景の「絵画」として集約されていきます。

リアル(実在)に虚構性が混入されたかのような絵画は、そこにSFのようなリアリティー(迫真性)を持った「真実味」のある世界を出現させます。

画面の大半を占める空に圧倒的な虹(のようなもの)が立ち上がる《 思い出の夢 / Dream of Memories 》では、混じりあった絵具の見せる抽象的なディテールはそのままに、「虹(のようなもの)」としての強烈な虚構が、なおも力強い真実味をもって画面全体を統べているかのようです。

本作品において中屋敷は、湿度や気温との兼ね合いの中で、絵具の水分や色調を調整するなどのテクニックを用いながら、偶然によってあらわれるマーブリングのような現象を、あたかもその風景に「召喚」したかのように出現させ、そこに空想・記憶・虚構・事実・夢想が曖昧に混じり合った、予定調和と破綻の狭間に揺れた絵画を描き出しているといえます。

新作を含む作品およそ10点を展示する本展では、その力強い作品を展観いただくとともに、次第に実在と虚構が綯い交ぜとなるような不思議な感覚を覚えていただけるのではないでしょうか。

 

中屋敷 智生
>> http://thomyashiki.tumblr.com/