アートピーポーマッピン

|会期:2012年7月19日(木) – 8月5日(日)、月曜休廊

|開館時間:11:00 – 19:00(最終入場18:45まで)

|会場:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA1,2 / ギャラリーB,C
京都市中京区油小路通御池押油小路町238-1(堀川御池ギャラリー内)
>> http://www.kcua.ac.jp/gallery/

 

|出展作家:

黒崎香織、塩入ゆり、月本ちしほ、中西瑞季、比果彩、野原万里絵、基山みゆき、八木修平、吉田芙希子、岸本光大、佐藤紘子、嶋春香、篠原南、笹岡由梨子、新平誠洙、長谷川由貴、森下明音、藤井マリー

|観覧料:無料

 

|関連イベント:

出展作家とゲストスピーカーによるトークイベント

7月21日(土)14:00 – 美術家 黒川彰宣氏・岡田真希人氏

7月28日(土)14:00 – 美術評論家 清水穣氏

8月4日(土)16:00- 美術家 森村泰昌氏 x インディペンデント・キュレーター 遠藤水城
※詳細はギャラリー@KCUA Facebookページにて随時お知らせします。

|主催:京都市立芸術大学大学院美術研究科 油画研究室
|お問い合せ:075-253-1509

 

大学の前期のまとめとなるこの時期に、各学生が取り組んでいる研究内容の発表の機会として、京都市立芸術大学絵画専攻油画に所属する有志18名による「アートピーポーマッピン」を開催致します。私たちは現在、個別の研究テーマに基づいた作品の制作を行っています。絵画というベースを共有しながら、各々の表現手段は、映像やインスタレーション、立体造形など多様化しています。そのため「絵画」という言葉ひとつをとっても様々な解釈があり、お互いの作品を批評し合う前提として、それぞれの用いる言葉の定義を明らかにする必要性が生じています。

この展覧会を企画するにあたり、私たちはお互いの作品について意見交換し、理解を深めるための試みとして、アンケートやインタビューをもとにディスカッションを行いました。それぞれの関心や問題意識を提示し合い、それについて各々の立場からの考えを話すことで、今まで気がつかなかった新たな視点や疑問が生まれつつあります。今回の展覧会は、同時代に同大学で、場所や時間を共有している各人が自分自身の立場をとらえなおす機会であり、ここでは同じ「絵画」を扱いながらも生まれる差異をお互いに理解しようとする過程自体が、展覧会を構成する上で重要な意味をもつものと考えています。また更に、その過程を広く公開し、問題を提示することによって、更なる発見がもたらされることを期待します。絵画を巡るそれぞれの立場からの多彩な表現の魅力をどうぞお楽しみください。

 

タイトル「アートピーポーマッピン (art people mapping)」について

このタイトルを導き出すため、私たちはお互いの作品を特徴によって分類したり、キーワードを出してタグ付けしたり、言葉によって各々の立ち位置を(架空の)平面上にマッピングすることで客観的に捉えようとしました。その試みは次第に、「絵画」に対する互いの視点を明らかにしました。自分の作品と言葉は異なる視点によって位置・立場を作り出しています。さらに、視点の交わらないポイントに別次元の視点を与えることで、重層的な視点が生まれていきました。当初に作り出した平面的なマッピングは、長いディスカッションを経て、様々な視点が立体的に交わる多重レイヤーともいえる場に変化していきました。

本企画は、「絵画」がもつ特有の魅力に取り込まれた私たちが研究してきた道筋を、鑑賞者と共にたどる展覧会となることでしょう。また、本学学内での話し合いに留まることなく、展覧会期間中に開催するトークイベントにおいては、学外の“アートピーポー”と関わることで、新たな視点からマッピングされることも期待しています。そのように今、私たちが辿っている道筋は、「絵画」の未来を切り開く、新たな可能性を生み出すのではないでしょうか。