廣瀬純「BIGGER THAN LIFE—-原発から蜂起へ」

 

|日程:2011年7月21日(木)

|時間:19:30~21:30

|場所:Social Kitchen(京都市上京区相国寺北門前町699)
>>> http://hanareproject.net/

|講師:廣瀬純

|料金:1,500円

|予約:[[email protected]]まで、お名前、人数、連絡先をお伝えください。

 

原発事故は「起きた」のではない、いまもなお「起きている」。原発事故と地震や津波との違いはここにある。いつまで「起きている」ことになるのか。半減期云々を考えても、ほとんど永久に「起きている」ことになるだろう。それではいつから「起きている」のか。3月11日から? そうではない。少なくとも原発が始動してからずっと「起きている」。原発とは事故の制御に存する発電なのだ。この「制御」という語が原発とその時代を考えるための鍵となる。「制御」はまず「解決」から区別されなければならない。原発もその事故も問題を解決することでは微塵もないのだから。原発とその時代において賭け金となるのはつねに未解決にとどまる問題を制御するということだ。人間が自分自身を動力源としてその力を最大限に発揮するという時代は終わりつつある。人間に先立って存在し、人間よりも大きな力、bigger than lifeな力を制御する時代が到来している。サーフィンと原発とが完全に同時期に普及したのは偶然ではない。我々が生きるのはもはや革命の時代ではない。問題を解決するのではなくそれとして生きる時代、蜂起の時代を生きているのだ。

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|プロフィール:

廣瀬純

1971年、東京生まれ。1999年、パリ第3大学映画視聴覚研究科博士課程中退。現在、龍谷大学経営学部専任講師、仏・映画批評誌「Vertigo」編集委員。著書に『美味しい料理の哲学』(河出書房新社、2005年)、『闘争の最小回路―南米の政治空間に学ぶ変革のレッスン』(人文書院、2006 年)、『闘争のアサンブレア』(Colectivo Situacionesとの共著、月曜社、2009年3月刊行予定)、『シネキャピタル』(洛北出版、2009年)など。訳書にパオロ・ヴィルノ『マルチチュードの文法』(月曜社、2004年)、トニ・ネグリ『芸術とマルチチュード』(月曜社、2007年、共訳)/『未来派左翼―グローバル民主主義の可能性をさぐる(上・下)』(日本放送出版協会[NHKブックス]、2008年)など。