©橋本倫史

 

川上未映子×マームとジプシー「まえのひ」京都公演

 

|日時:2014年
4月18日(金)19:00
4月19日(土)14:00/18:00
4月20日(日)14:00/18:00

|会場:元立誠小学校 音楽室
京都市中京区蛸薬師通河原町東入備前島町310-2
>> http://www.rissei.org/

 

|テキスト:川上未映子

|演出:藤田貴大

|出演:青柳いづみ

|音:zAk

 

|チケット:予約・当日 3,000円 予約は >> コチラ

 

2013年8月今日マチ子代表作である漫画「cocoon」を舞台化(音楽|原田郁子)し、さまざまなジャンルの観客や批評家、作家より賞賛を浴びたマームとジプシーがその翌月9月に小説家川上未映子とタッグを組み、書き下ろし短編含む3作品を俳優・青柳いづみの一人芝居として上演しました。初演時は小さなギャラリーではありましたが、小説家×演劇作家、女流作家×女優のコラボレーションは様々なジャンルの作家や観客に衝撃を与えました。本企画は、その作品の再演であり、様々な場所や土地を訪れながら、上演致します。

川上未映子は第138回芥川龍之介賞(「乳と卵」)や第49回谷崎潤一郎賞(「愛の夢とか」)を始め、あらゆる文芸賞を受賞し、多くのファンを持つ、人気実力共に備えた、様々なジャンルにも精通するベストセラー作家です。元々音楽家であった川上未映子が今回マームとジプシーに書き下ろした「まえのひ」(ユリイカ2013年10月号掲載)という短編作品(詩)は、通常「目」で読む事を前提に描かれている物とは違い、役者が文字を「音」にする事を目的に作られました。

モノローグと対話とがシームレスに混在している事や、具体的な小道具や舞台美術を使用せず視覚的要素を観客のイメージに託しているマームとジプシーの作風は小説的とも評されてきました。だからこそ、本事業で川上の作品に一人芝居で取り組む事は、マームとジプシーと川上の共作というだけではなく、演劇が持つ最大限の可能性を社会に提示する機会となります。そして、今回出演する俳優・青柳いづみは藤田作品の他、岡田利規(チェルフィッチュ)や飴屋法水の作品に参加し、現在演劇界にとって最も重要な役者と言われています。また、自身の役者としてのオリジナリティと独特な少女性が演劇を問わず様々なジャンルの作家や観客より人気を誇っています。川上独特なリズム感と世界観、そして、役者である青柳いづみが体力を使い発する「言葉」のコラボレートは、今までの朗読や一人芝居にはない時間をご期待ください。

 

|プロフィール:

マームとジプシー |mum & gypsy

藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める演劇団体として2007 年に設立。以降横浜を中心に演劇作品を発表。象徴するシーンのリフレインを別の角度から見せる映画的手法を用いた「しゃぼんのころ」で、独特な演出方法に注目が集まる。その独特な手法は演劇のみならず、小説、映画、音楽、現代詩、美術など様々なジャンルの作家や批評家から評価を得る。 2011年6月~8月にかけて発表した「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」で作家藤田貴大が第56 回岸田國士戯曲賞を受賞。2013年8月東京芸術劇場シアターイーストにて今日マチ子原作「cocoon」を舞台化に成功、新聞各紙に大きく取り上げられた。また、翌月川上未映子の書き下ろし作品を一人芝居で上演。2013年11月最新作「モモノパノラマ」を神奈川芸術劇場にて上演予定。
>> http://mum-gypsy.com/

 

川上未映子|Mieko Kawakami

小説家・詩人。1976年8月29日大阪府生まれ。『夢みる機械』(2004年)、『頭の中と世界の結婚』(2005年)など3枚のシングルと3枚のアルバムをビクターエンタテインメントより発表。2006年随筆集『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』をヒヨコ舎より刊行。2007年初めての中編小説「 わたくし率 イン 歯ー、または世界」(『早稲田文学0』)を発表、第137回芥川賞候補となる。同年第1 回坪内逍遥賞奨励賞を受賞。2008年『乳と卵』で第138 回芥川龍之介賞を受賞。2009 年「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」で第14回中原中也賞を受賞。2010年『ヘブン』にて第60 年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013 年短編小説集「水瓶」にて第43回高見順賞。同年「愛の夢とか」にて第49 回谷崎潤一郎賞を受賞。

 

青柳いづみ|Izumi Aoyagi

1986 年東京生まれ。桜美林大学総合文化学群にて演劇を専攻。マームとジプシーには旗揚げより参加。2013 年8月にマームとジプシーが舞台化した今日マチ子の代表作「cocoon」では主人公であるサンを務めた。また、2013 年9 月川上未映子( 小説家) の書き下ろしテキストを一人芝居にて上演。マームとジプシー以外の活動としては、チェルフィッチュ「三月の5日間」「わたしたちは無傷な別人である」「現在地」や飴屋法水と共同で作品発表。