私たち人類は、どのようにして情報や知識を体系化し、みえるかたちにしてきたのでしょうか? 本書は、古来より分類のシステムとして使われてきたツリーモデルから、現代の情報爆発時代におけるネットワークモデルまで、約300点におよぶインフォメーションデザイン作品を掲載するとともに、今日の情報化社会を描写するための新しい言語〈ネットワーク・ビジュアライゼーション〉の魅力と可能性を探求しています。

 

>>> ビジュアル・コンプレキシティ ―情報パターンのマッピング

 

 

ISBN:978-4-86100-783-5
定価:3,990円(本体 3,800円+税)
仕様:A4判変型/272ページ
著者:Manuel Lima(マニュエル・リマ)
翻訳:奥 いずみ
監修:久保田 晃弘

 

■著者について
Manuel Lima(マニュエル・リマ)
最も影響力のあるインフォーメーション・ビジュアライゼーションのサイト「Visualcomplexity.com」の創設者、キュレーター。Microsoft BingのシニアUXデザインリーダー。『Creativity』誌より、「マニュエル・リマは21世紀のエドワード・タフテとなるだろう」と称され、2009年の最もクリエイティブで影響力を持つ50人に選出されている。

■本書の構成内容について(イントロダクションより)
本書はまず、《生命の樹》として、太古から分類のシステムとして広く使われてきた木にまつわる神聖な意味についての探求から始まる。近代のネットワークダイアグラムの元祖として、古代における利用について紹介する。木のメタファーは、神学的な出来事から百科事典の目次まで、さまざまなトピックを視覚的に伝えるために利用されてきた。
Chapter 2では、《ツリーからネットワークへ》として、近代のネットワークをベースとした多様性、分散、ノンリニアな世界を紹介する。都市の設計図から情報を組織化する構成(エコシステム)、脳の解読を例に、木のメタファーに代わるネットワークモデルを紹介する。
Chapter 3では、《ネットワークの解読》として、初期の先駆的な例を紹介しながら、ネットワークの考え方、書き方の背景について説明する。加えて、論理的かつ実用的なネットワーク・ビジュアライゼーションの主な機能と、既存の手法とテクニックを改善するガイドとなる原理原則を紹介する。
Chapter 4では、《無限の相互接続性》として、ネットワーク・ビジュアライゼーションの機能に対する提案や、よく利用される例を15のカテゴリに分けて紹介する。ブロゴスフィアの可視化やテロリストネットワーク等、近代における複雑な相関性を表したビジュアライゼーションを紹介する。
Chapter 4は最も一般的なテーマを通じて基本的な事例を扱ったのに対して、Chapter 5では《新しいビジュアル言語の構文》と題し、多くのビジュアライゼーションに共通する視覚的レイアウトや構成をひもといて、膨大なプロジェクトを整理した。世界のデザイナー、科学者、また研究者が、さまざまなネットワークを斬新な方法で描いている。これらの集大成として、新しいビジュアライゼーションのアプローチを体系的に紹介する。
Chapter 4, 5では数多くのビジュアライゼーション作品を紹介したが、Chapter 6では《複雑性の美》として、文化や社会の変革にネットワークが関与する特性を紹介する。科学とアートの両方の視点を持ちながら、ネットワーク構成を描いたアートとしての完成度を高める過程における、秩序と複雑性のギャップについて説明を
する。
最終章は、《未来の行方》として、ネットワークダイアグラムの多様性と分散の精神を引き継ぎ、著名なプロフェショナル、アクティブな実践者、業界をよく知る者によるネットワーク・ビジュアライゼーションのさまざまな視点を紹介する。各エッセイでは、ビジュアライゼーション分野の今後のトレンドや技術を紹介している。

目次:
01 | The Tree of Life 生命の樹
02 | From Trees to Networks ツリーからネットワークへ
03 | Decoding Networks ネットワークの解読
04 | Infinite Interconnectedness 無限の相互接続性
05 | The Syntax of a New Language 新しいビジュアル言語の構文
06 | Complex Beauty 複雑性の美
07 | Looking Ahead 未来の行方