「地点」がつくる劇場文化の新しいかたち
「アンダースロー」2013.7.20 Sat. OPEN!!

 

劇団「地点」(代表:三浦基)は、この度稽古場兼アトリエ「アンダースロー」を京都・北白 川に開設することになりました。日々の創作活動の拠点として、また、交流の場として、「ア ンダースロー」は地点の活動の今後を担うことになります。
「アンダースロー」は、かつて「CBGB」という屋号で親しまれたライブハウスの跡地にできま す。白川通りに面したビルの地下にあったライブハウスは、10年程前に店閉まいしましたが、 その後、人の出入りのほとんどない時間が止まった空間として、ひっそりと次の使い手を待っ ていました。このような空間を残している京都というまちに脱帽しつつ、ライヴハウスであっ た場所が演劇の創作・発表の場に変容して息を吹き返すことは豊かなことであると考え、念願 のアトリエ開設に踏み切りました。
10年分の埃と湿気、ライブハウス時代の大量の朽ちた備品が残された空間は、文字通り「廃墟」 でしたが、地点『光のない。』(2012年、東京芸術劇場)の舞台美術を手がけた建築家・木津 潤平と地点の手により、甦ることになります。私たちの思い描く劇場文化を創出するための、 真の拠点として、京都の片隅の、隠れた名所となることを目指します。

>> http://www.chiten.org/

 

|プレオープンイベント:

シンポジウム 「今日の舞台芸術と明日の文化行政」

[出演]:岡田利規、タニノクロウ、三浦基、橋本裕介

[日時]:7月11日(木)20:00開始(19:30開場)

アンダースローのオープンに先立ち、シンポジウムを開催します。「個」的な表現と「公」と の関係を現場のアーティストはどのように考えているのでしょうか。稽古場から垣間見る日本 社会と、演劇の仕事について語ります。

 

|初年度上演作品:

『CHITEN の近未来語』

[構成・演出]:三浦基
[引用テキスト]:今日の新聞、小松左京『さよならジュピター』
[初演]:2013 年7 月20 日~8 月24 日

アンダースローの開場を飾る記念すべき一作は、地点ならではの実験精神があふれる問題作。 大日本帝国憲法や玉音放送の口語訳をコラージュした傑作『CHITEN の近現代語』の姉妹篇と なります。主軸になるのは、「今朝届いた新聞」。本番のあるその日の新聞を使用します。はる か未来や何億光年も先の星々に思いを馳せるSF の想像力と、昨日・今日・明日という日常の時 間軸が交錯することで、日本の「今」が照らし出されます。

 

『ファッツァー』

[原作]:ベルトルト・ブレヒト
[翻訳]:津崎正行
[初演]:2013 年10 月26 日~11 月24 日

ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトの未完の戯曲『ファッツァー』を本邦初上演いたします。『ファッツァー』(原題『エゴイスト、ヨーハン・ファッツァーの没落』)は、ドイツ現代演劇 の代表的劇作家ハイナー・ミュラーが「百年に一つの作品」と評した作品にも関わらず、日本 では翻訳が出版されていない異色の作品。第一次大戦中の脱走兵を描いた作品はブレヒト流の 諧謔と笑いに溢れるハードボイルドな作品。地点初のブレヒトは、音楽劇の要素もたっぷりの ロックな作品になります。ご期待ください。

 

*上記2 作品は随時再演を行っていくレパートリーとして今後も上演してゆきます。また、リー ディング上演等を企画していく予定です。