藤井大丸140周年コラボ 宮里旭さんとのお話
今回の「MEET」は今年で140周年を迎える京都の老舗百貨店「藤井大丸」でMD(マーチャンダイザー)として、また今回の「140th Anniversary EVENT」を統括されている宮里旭氏に140周年イベントの話、百貨店の話などお聞きしてきました。
佐野 :それではよろしくお願いします。最初に140周年イベントのことをお聞きします。
もともと140周年のイベントをすることは決まっていたんですか?
宮里 :そうですね。当初は「ファッションショー」の企画とかも話にありました。
実は今回、私は最初はこの企画(140周年イベント)に参加していませんでした。
佐野 :そうなんですね!!
宮里 :最初は春からいろいろ社内では段階的に話しが始まっていて「秋にはやりましょう!」と営業部と販促部が主体で動いていました。
佐野 :そっか!宮里さんはMDと事業開発本部なんで部署が違いますもんね。
宮里 :細かく言うと、初めに私の所にきた話は「エコバックをつくる」ということでした。しかし私の中では「エコバックか。。。いらないな。」という気持ちでした。
理由はもう今の時代とは合っていないかな?と、感じました。そして若手にもいろいろ相談しましたがやはり同じ意見でした。
佐野 :なるほど。当初の予定から変更を余儀なくされたんですね。
宮里 :はい。ただエコバックの案も鼻からナシという感じでもなかったんです。
なにか他のいい方法を模索している感じでした。そしてその後の打ち合わせで営業部の満場一致で某デザイナーにお願いしましょうとなりました。
しかし時期が時期だけに(メンズのコレクション時期)難しい問題でした。
佐野 :はい。それはタイミング的に某デザイナーさんも難しそうですね。
宮里 :そうなんです。じゃあどうしよう。となるわけです。笑
エコバック自体は素敵なものなのですが、それをこちらのイベントで無料で配布するというのは少し「クエスチョン?」だったんですね。こちらがイベントで記念にプレゼント!というこっちの都合のような気がして。。。笑
そしてモノをつくるという事自体が「エコ」じゃないような気がして。。。
佐野 :本当にそのとおりですね。私もデザイナーという立場、モノをつくる仕事なんですが、本当に必要のないものは極力作りたくないです。
宮里 :でも色々ありまして結局エコバックはナシという形にはせず、企画として少し残しています。笑
正確にいうとこの辺のタイミングで、私が段々企画に参加するようになりました。
次に考えだしたのは館(藤井大丸)としてのイベントです。
当初は最初にも話していたように「ファッションショー」の企画が進んでいました。
でもここでも私は「クエスチョン?」でした。
大事なのは今現在、藤井大丸に来ているお客様の人数はMAXの状態だと思うんです。
佐野 :どういうことですか?
宮里 :例えばこのタイミングで「ファッションショー」をしても来て頂ける方は、ファッションショーする前から藤井大丸にお客様として来て頂いている方が多いと思うんです。もちろんその事実も大切なことです。
しかし、私が考えているのは、今来て頂いているお客様以外の方々にアプローチしないといけないと思うんです。
そこがうまくできるか?がこれからの百貨店業界の「キモ」でもあると思うんです!
佐野 :まさしくそのとおりですね。
宮里 :まだまだ藤井大丸に来た事のないお客様がたくさんいると思うんです。
そこで今回のイベントをして藤井大丸の「キャパ」をどんどん増やしていきたいんですね。今まで来た事の無いのお客様に今回のイベントがきっかけでドンドンきてもらう。その際、商品を購入してもらわなくてもいいと考えています。
佐野 :笑!
宮里 :いや。本当にいいんです!
「あっ!藤井大丸っておもしろいことやっているな!」
という意識を持って頂きたいです。新規の方にドンドンきてもらう努力をこちら側がする!
この努力はこれからもひたすら必要だと思います。
佐野 :はい。
宮里 :こういう私の考えもあり、全ての企画をすることになりました。笑
しかし、タイミング的にとてもよかったんです。
佐野 :何のタイミングなんですか?
宮里 :まあこれは内部の話になるんですが、私が考えていたのは「若手の育成」とまでもいかなくても「ひな形」としてこのイベントを私が統括することにより「やっていいこと」、「わるいこと」の「線引き」をはっきりと見せておきたかったんです!
今うちの若手もアグレッシブに色々なことを考え行動しているのですが、半分以上はやってはいけないことなんですね。笑
もちろんやってみなきゃ分からないことなので、その辺をしっかり見て覚えてほしいと考えています。
この業界に大事なのは「今」ということなんです。
若手のすることが、今はまちがっていも、先ではあっていることかも分からない。
その「今」というのをつかんで欲しいと思っています。
なので今回の140thのプロジェクトチームは部署も超えて、私が「声かけ」したメンバーで動いている部分も多いです。なので百貨店のイベントとしての「空気感」も新しい感じにしないとね!という感じです。
佐野 :そうですよね!若手の育成、それは本当に大事な事だと思います。どんな仕事でも一番難しい問題ですよね。。。
宮里 :まあ後、百貨店のイベントって結構「テナント」まかせなところがあるんですね。その現状も色々考えていきたいんです。百貨店のプロとして!
百貨店が色々企画、運営し人をたくさん呼ぶので、次にその方々を「テナント」サイドが捕まえてほしい!と考えています。
佐野 :うんうん。そうですね。「販売のプロ」、「そして企画、運営のプロ」の双方がいい感じで周りだすと「百貨店としての魅力」が出ると思います。
と今回はここまで。。。。
次回も宮里氏との「MEET」をお届けします。
お楽しみに!!
※宮里氏は藤井大丸サイト内のこちらでも記事を書かれています。
→http://www.fujiidaimaru.co.jp/journal/
藤井大丸
600-8031 京都四条寺町 TEL:075-221-8181
[営業時間] 午前10時30分→午後8時
[ホームページ] http://www.fujiidaimaru.co.jp/
[オンラインショッピング] http://www.fujiidaimaru.co.jp/uroko
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