“travel with the time” (detail)
2011
acrylic, pencil and color pencil on paper
158.0cm × 433.0cm (detail: 79.0cm × 109.5cm)
©Shintaro Miyake
Photo by Kei Okano
Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 

三宅信太郎 展
「IT AIN’T NOTHING BUT THE LIFE」

 

|会期:2011年6月25日(土) – 7月30日(土)

|時間:11:00−19:00 (火−土曜日)

|休廊日:日・月曜日、祝日

|場所:小山登美夫ギャラリー京都(京都市下京区西側町483)
>>> http://www.tomiokoyamagallery.com/

|オープニングレセプション:6月25日(土) 6:00 – 8:00pm

 

» 作品紹介

三宅信太郎はドローイング、立体、パフォーマンスなど、様々な表現形式によって、独自の世界をつくりあげます。初期の代表的なモチーフ、「スイートさん」は横長の頭に小さな目鼻、短い胴体から伸びたひょろ長い手足の女の子。様々なバリエーションをもち、ドローイングだけでなく、紙や板に描かれたドローイングを切り取って裏打ちした「切り抜き」で数百点制作された彼女は、そのかわいさで鑑賞者を幸福感に包みます。手になじみ自然に描けるという理由から、ドローイングは色鉛筆が中心。平面性やモチーフの反復を特徴とするその画面は、絵巻物のように横に長いものも多く、作家の驚くほどの想像力の広がりを感じさせます。パフォーマンスは、自身で制作した着ぐるみを着てライブドローイングをするというものです。身近なものから文化的に背景の異なるものまで、様々な対象を吸収して自分の世界に統合していく三宅が手がけてきたのは、「イノシー」などのオリジナルのキャラクター、うさぎやビーバー、クラーケンと闘うミノタウルス、蛸など。描く側と見る側の距離を近づける制作をしたいが、通常のライブペインティングはかえって近寄りがたい。そこでこの方法を思いついたといいます。また絵の中のキャラクター自身がポートレートを描いている、つまり作家自身が作品世界の一部になっているという側面もあります。体感覚的な効果が作品の枠を超えて鑑賞者にもたらされ、そこには作家、作品、鑑賞者の間の相互関係が生まれます。このような三宅の制作は、彼が芸術性と大衆性という、相容れない部分をもつ両方をうまく結びつけ、新しい可能性を模索しているということを物語っています。

 

» 展覧会について

本展では、三宅が最近取り組んでいる「生・死」、「時間」、「現実」といった題材の作品が展示されます。それらについて、三宅は以下のように話します。「物事は始まると同時に必ず終わりに向かって進んでいる。・・・ただの旅行であれば終着駅についた後も時間は続いていくが、時間旅行であれば時間そのものから降りてしまうのだ。自分の意識からも。そのこと自体が最大の不安であるとともに、唯一の解決策でもある。しかしどう考えた所で、いまこの時間列車に乗ってしまっているのは事実なのだ。喜びも悲しみも、この時間という名の列車とともに。」視覚的な面ではこれまでの作品と変わりませんが、内容は「自分自身を表現するとは」という根源的な取り組みとなります。幅約5 mのドローイング、上述の「切り抜き」などが展示されます。是非ご高覧下さい。

 

» 作家プロフィール

三宅信太郎は1970年、東京生まれ。96年多摩美術大学絵画科版画専攻卒業。現在も東京を拠点に活動を行っています。主な個展に、「Innocy’s House」(Museum Gugging, Art/Brut Center Gugging、ウィーン、07年)、「Beaver no Seikatsu」(Sandra and David Bakalar Gallery, Massachusetts College of Art、ボストン、マサチューセッツ、06年)、主なグループ展に「NO MAN’S LAND 創造と破壊」(フランス大使館 旧館、東京、09-10年)、巡回展「NEOTENY JAPAN 高橋コレクション展」(08-10年)、「Berlin – Tokyo /Tokyo – Berlin」 (Neue Nationalgalerie、ベルリン、06年)、「直島スタンダード」(直島、香川、06年)などがあります。小山登美夫ギャラリーでは、03年、05年、08年の個展以来3年ぶり、4度目の展覧会です。

 

|お問い合わせ先:[ 小山登美夫ギャラリー 京都 / TKGエディションズ 京都 ]
プレス担当:藤川二葉
TEL:075-353-9994